二つの管理
このサイトのタイトルも『コラム-経営管理-』となっていて、管理という言葉を使っています。そもそも管理とは何なのでしょう?
ビジネス領域では管理は大きく分けて次の2つの意味として使われます。※
1.Control(コントロール):この意味での使い方のバリエーションが多い
2.Management(マネジメント)
※これ以外にもAdministrationなどいろいろな意味がありますので、興味を持たれた方はインターネット等で調べてみてください。
この2つの違いを説明するには野球を例に挙げるのがわかりやすそうです。
野球ではピッチャーがボールを投げるときにコントロールが良い悪いと使われます。簡単に言うと、次は「外角低めにツーシームでストライク」を投げる。という指示(あるいは合意)に基づきボールを投げて、指示通り投げられれば「コントロールがいい」ということになります。
その結果、ホームランを打たれてもコントロールが悪いとはいいません。
つまり「決めた通りに実行できるかどうか」という観点でものを見ているのです。ということは、コントロールの良し悪しを把握するためには具体的に「予定/計画」があることが前提となります。
次にマネジメントですが、これは上に書いたコントロールとは全く異なるものです。ピッチャー、キャッチャーは、打たれないこと、塁に出さないこと、点を入れられないことなどを役割として持っています。さらにこの役割は「試合に勝つ」「リーグ優勝する」というような目的から与えられています。マネジメントとは、これらの役割を果たしてどれだけ目的に対して寄与できるか、という観点でものを見ます。つまりいくらコントロールがよくても、例えば、結果としてホームランを打たれて試合に負けてしまったのでは、マネジメントとしてはそれでよかったのか?ということです。その選手とは戦わずフォアボールで歩かせて次の選手と勝負する、という手段もあったのかも知れません。
ごく簡単に言ってしまうと、コントロールとは、正解があってそれを実現させるための活動であり、マネジメントとは、必ずしも正解がないなかで、自分たちのリソースを活用し、いかに目的を達成していくかの活動である、と言えます。
ただ、このコントロールとマネジメントは切っても切れない関係にあります。
いくらコントロールがよくてもマネジメントが出来ていなければ試合には勝てませんし、いくらマネジメントが出来ていても、選手にそれを実践できるコントロールの良さがなければ勝てません。この2つの言葉は車の両輪となっています。
当サイトのタイトルで使っている経営管理は、マネジメントを行うことを目的としたコントロールも含む概念になります。経営管理は一般的に英語では「Business Management」と書きます。