4.集約・分析する

KGIとKPIの設定とその重要性

目的が明確になり、ゴールが設定できたら、次のステップはその達成度を定量的に示すことです。ここで重要になるのが、流行の言葉でいえばKGI(Key Goal Indicator)やKPI(Key Performance Indicator)の設定です。

多くの企業がKGIにROE(自己資本利益率)を設定しています。最近ではROIC(投下資本利益率)も増えています。しかし、これらの指標は主に株主向けの総合的な指標であり、そのまま社内に持ち込んでも具体的に何をすればよいのかが見えてきません。そこで、この指標を「展開」する必要があります。ROEにおけるデュポン式の展開がその有名な方法の一つです。

ROEを達成するためには、利益率の向上と資本効率の向上が求められます。したがって、ROEを利益率に関する指標と資本効率に関する指標に分解します。さらに、利益率の指標を純利益率、営業利益率、総利益率といった活動ベースで測れる指標に展開することで、これらの指標の目標値がROEというKGIに対するKPIとなります。

  • ROE:企業価値を向上させるという究極の目標
  • 各指標:戦略レベルでの具体的な目標

ROEは究極の目標になってしまいますので、社内DXにおけるKGIは、まず取り組む段階として「各戦略単位の目標値」をKGIにおき、KPIは具体的なアクションを起こすための指標とします。そしてそのKGIを集約させた目標が「ROE」になる、というような考え方をします。ただし、これは社内DXの最終目標がROEと言ってるのではなくて、あくまでも事例にすぎません。様々な目的を持ったDXが存在し得ると考えています。

経営管理DXでの分析は、主に「採算(損益計算に現れる)」や「投資/投入資産(損益計算に現れない)」を様々な切り口で見ることになります。この分析を通じて、企業全体のパフォーマンスを向上させるための具体的なアクションが見えてくるのです。

おすすめ